輸入薬特許の壁を破る―治療費高騰問題の緩和策
2010/07/01
2010年の中国政府活動報告は、「医療費用の抑制」を医療衛生改革推進の重要内容として提起し、60%の政府系基礎医療衛生機構にて、基本薬物制度の実施を求めた。
「エイズ、B型肝炎、C型肝炎、及び白血病、この4大疾病において、ほとんどの患者は海外の医薬品を使用しているため、消耗された国民の財産は莫大な額である」と中国人民代表大会代表、富潤ホールディングスグループ取締役員会主席の趙林中氏が指摘した。
中国肝炎予防治療基金会の統計データによると、中国全土に存在する1.2億のB型肝炎ウィルス感染者のうち、600万人は抗ウィルス治療を必要としており、さらにその中の20万人はグラクソ・スミスクライン社製の「ラミブジン(100mg)」を使用しなければならず、1人当たりの支出は毎年5,000元近くになり、全国のB型肝炎患者のラミブジンに対する支出総額は約10億元にも達している。全国人民代表大会及び全国政協大会(以下「両会」と称す)にて、多くの代表委員は、「治療費高騰」という問題を解決する重要な方法として、重大疾病に対する基本医薬品の対応性を向上させ、特に一部の輸入医薬品に対して、柔軟に法律及び貿易手段を講じるべきと認識している。
これら疾病の治療薬生産企業は中国国内で特許を持っているため、中国の製薬メーカは、医薬品の生産及び価格競争を通してこれらの医薬品の市場価格を引き下げるといったことができず、高騰する薬価への負担は最終的に患者と国家財政に転嫁されることとなった。高騰する特許薬価を負担する患者の特許薬購入費用は、毎年数千億元に達する。単純に特許薬を医療保険の範疇に組み入れることは、根本的な問題を解決できないだけではなく、国家に新たな、重大な経済負担をもたらすおそれがある。
世界貿易機構(WTO)の「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」及び「ドーハ閣僚宣言」に基づき、一国の公衆衛生問題を解決するため「柔軟性の条項」を用い、模倣薬生産への許可の強制実施権の発動などの方法を通して、合理的に特許薬の独占権を打ち破り、安価な医薬品を獲得することができる、と趙林中氏が述べた。
「国家は適切なタイミングを見計らって、必須医薬品の特許に対する強制許可プロセスをスタートさせ、新薬のイノベーションと模倣のバランスを正確に処理し、国民への医薬品供給の主導権を握るべき」と趙林中氏が語り、また、政府は指導機関の改善に力を注ぐと同時に、民衆に働きかけ、患者の声に耳を傾け、政府と民間が力を合わせて、共にこの国際法及び国際貿易など多方面に関わるプロジェクトを推進すべき、と同氏が述べた。
中国は世界最大の原料薬生産・輸出国であり、なおかつ医薬製剤を生産する能力をすでに完備している。中国の強制模倣医薬品の生産により、薬価を確実にまた大幅に値下げすることが可能となる。この動きは中国の医薬品の供給能力を高めることだけでなく、その他の発展途上国、とりわけアフリカの医薬品の応用水準の上昇に大きく貢献できる、と「両会」に参加した代表委員が語った。
