医薬業界の利益急増が四半期ごとに下落

 2008/10/7

収益の増加率は依然良好、利益の増加率は四半期ごとに下落

 2008年1~8月の医薬工業売上総額は前年同期比27.9%増、利潤総額は38.93%増となった。2007年8月の医薬工業累積利潤総額は460億元、前年同期比38.93%増であった。

 今年2月、5月と8月の累積利潤増加率は51%、41%、39%、四半期ごと下落する傾向がみられ、以前に業界有識者が予測した、今年の業界全体の利潤増加率の「前高後低」現象に合致した。その主な原因は、利潤基数の変動、投資収益曲線の大幅「波運動」、及び一部の大口原薬価格の周期性変動だと見られる。

 1~8月間の業界粗利率は、ほぼ同水準を保ち、費用率は小幅に下落。今年の中国金融の緊縮に影響された結果、販売、管理、財務費用のうち、財務費用の指標のみは収益の指標を上回った。

 業界有識者が心配するのは、大口原薬の大幅値上げがもたらす医薬産業への貢献を除くと、業界収益、及び利潤の増加速度、粗利率のパーセンテージ、販売、管理費用率などの指標が下落すること。即ち、2009年の業界指標は2008年ほど「華麗」でなくなる可能性があることだ。
 

消耗品製造業界の中で、比較的好景気が続く医薬工業業界

 2008年1~8月中国医薬業界工業の工業増加値(注1)の伸び率は18.7%で、1位の「木材加工及び木竹籐シュロ草製品業」に継ぎ、消耗品製造業界ラインキング第2位となり、製造業界全体の平均値より3%上回った。

 月ごとで見ると、8月の医薬工業の業界増加値の伸び率は15.7%、7月より5.5%下落し、食品、飲料、農業副産物食品加工業に抜かれ、消耗品製造業4位となった。しかし、依然と全製造業の平均値より2.9%上回っており、全体的に見ると、医薬業界の景気はまだ良好とも言える。
 

各細分業界が受けたコスト・プレッシャー

 2008年1~8月の、各細分業界の収益と利潤の伸び率に、今年の、原料、エネルギー、人件費など生産要素の値上げが与えたコスト・プレッシャーを明らかにした。市場ニーズが高く、運営能力・品質に優れた細分業界はコスト・プレッシャーを受け止め、完全に、或いは部分的に消化できていることが分かった。

化学原薬:オイル、化学工業原料は値上がりしたが、化学原薬製品の価格は生産能力の集中、環境保護・プレッシャーなどの進展に伴い、収益は前年同期比23%増、粗利率は1.48%上昇し、利潤率は前年同期比2.3%増、利潤総額も2007年より66%上昇した。

化学医薬品製剤細分業界:収益は前年同期比29.5%増、原薬の値上げは業界に大きなコスト・プレッシャーを与えたが、収益の急増により、粗利率はほぼ同様水準を維持でき、0.3%とわずかな下落となった。利潤率は0.69%上昇し、業界内企業の運営効率の向上を示した。

中成薬細分業界:業界中最も不景気。収益の伸び率は22.81%、各細分業界の中で最も低い。中薬原料の値上げが原因で、粗利率は1.3%下落、最終的に利潤率は0.92%下落し、利潤総額も12.47%と微増、業界の平均数値より遥かに下回った。中成薬細分業界へのコスト・プレッシャーの打撃が最も重度であることが分かった。

バイオ製薬細分業界:収益は前年同期比40%増、利益総額は57%増の急成長を見せた。粗利率は前年同期より1.76%、利潤率は1.36%上昇した。同業界の成長と営利水準の向上は著しいものであり、コスト・プレッシャーはほぼ完全に消化された。

(データーはShanghai Wind Information Co., Ltd.,より)


注1:工業増加値:(注1)工業企業の生産活動の成果を表す指標のひとつ。中国ではこの「工業増加値」が重視されており、さまざまな財務あるいは統計データーでみることができる。計算方法には「生産法」と「分配法」があるが、ほとんどの企業は「生産法」を採用している。
*計算式【「工業増加値」=当期総生産高-中間投入コスト+当期増値税額】
上記の式における中間投入コストには、当期の労賃のほかに、工業生産のために使用された原材料、部品、電気・ガス・石炭などのエネルギー、水などのコスト、外部への支払いが発生した物品やサービスの費用などが含まれる。したがって「工業増加値」という概念は、日本でいう「売上総利益」に近い。

情報源「東方マーチャントネット」
 

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