国家発展改革委員会が医薬品の値下げに関する検討を加速

 2008/9/3

 

 長年に渡り展開してきた医薬品の値下げ改革は、「医療改革方案」公布の延期に全く影響されることなく、新たなランドの医薬品値下げ政策がすでに国家発展改革委員会(以下は「発改委」と称す)の議事日程に入れられている。

 今までの値下げと違い、今回の価格調整のキーポイントは医薬品価格だけではなく、「医薬品の単独値段設定」、「優質優価」(即ち、良品質製品の価格設定に関する優遇政策)、及び「医療機関向け医薬品上乗価格政策」など一連の変化がより業界関係者に注目されている。

 「一連の医薬品値下げ関連政策は年末前に公布されるだろう。これらの政策の公布は、医療業界に大きな影響を与えるだけではなく、他の多くの政策が外資医薬品メーカーの製品の価格が高すぎる現状にフォーカスして制定される傾向が明らかになっていると、ある「発改委」の政策検討に参加する専門家A氏が述べた。
 

「外商薬協」が「発改委」に嘆願

 「発改委」の関連部門は今年の7月、一部の医薬品価格専門家を集め、杭州にて、今後の医薬品の値下げ、及び価格設定政策の調整に関するシンポジウムを行った。

 そのわずか一ヶ月後、外資メーカーを会員とする「中国外商製薬企業協会」(以下は「外商薬協」)が「病院医薬品価格の上乗率政策項目についての分析報告及び業界の提案」(以下は「報告と提案」)をタイトルとする調査レポートを「発改委」に提出した。

 これは2007年に、「外商薬協」が「発改委」に類似したテーマのレポートを提出して以来2度目のものであり、その内容の中で、主に反対しているのは、現在検討制定中の「医薬品の固定額上乗政策」である。

 「報告と提案」は市場研究機構IMS社の統計データを引用し、「「15%という医薬品価格上乗率」を含む現行の政策が、外資企業の医薬品が病院市場で占めるシェアの大幅拡大、及びそれによって引き起こされた不合理な競争の原因であることを証明できる根拠はない」と指摘した。

 「医薬品15%順価格上乗」は中国が今まで使用してきた医薬品価格上乗政策である。医療機関は医薬品経営企業からの医薬品買付値段より、さらに15%上乗せして患者に販売する。その15%は病院の合法的な収入となる。

 「報告と提案」では、15%の上乗率は、近年の外資医薬業界の製品使用量の増加の唯一、或いは最も重要な原因ではなく、「患者の有名ブランド志向」、 「医療人員の医薬品の品質、治療効果及び安全性に対する安全感」などが、大病院が外資医薬メーカーのオリジナル薬を選ぶ主な原因であることを強調し、「発改委」に「漸進的な改革を行い、段階を分けて医薬品価格の改革を実施する」との原則を採用するように提案した。

 

「発改委」が「価格上乗せの一律化」を選ぶ理由

 A氏は「政府は医療機関への補助金が足りなかったため、長い期間において、医療機関の損失を補うため、政策上の保護を与えた。しかし、現在ではこの政策が医療機関及び医者が利益を得る最も有効な手段となった」と指摘した。また、「販売価格が10元と50元の同じ類別の2つの医薬品があるなら、病院側が利益を追求した場合、必ず50元の医薬品を入荷する。なぜなら、50元の製品が病院にもたらす利潤額の7.5元と比べると、10元の製品の利潤額はわずか1.5元であるからだ」と例をあげて説明した。

 「発改委」関連部門が専門家チームと共同で研究した結果、原則的に「変更不可の標準価格」を制定することに合意した。即ち、医薬品の価格がこの標準より高い場合は、従来の順次上乗方法によるのではなく、医薬品の「固定額上乗政策」を適用し、固定額の上乗せを実施する。「発改委」が起草した文案の中では、この部分の価格は「薬事サービス管理費」として定義された。

 「薬事サービス管理費」の設定は、医療機構が最大利益を追求するため、盲目的に高価な医薬品を選ぶ行為、及び高価な医薬品の濫用を阻止する効果が期待される。外資医薬品メーカーが関係する利益主体として、「固定額上乗政策」を反対することも理解できる。」とA氏が述べた。

 

「個別価格設定」に上限が設定される

 「固定額上乗政策」と同時に討論されたのは、現在中国国内の医薬品業界では最も異論の多い「個別価格設定政策」。

 中国は世界貿易機関(WTO)への加入以前に、国内の海外特許薬の模造により海外医薬品企業に与えた損失を補填するため、WTO加入後に、「個別価格設定」を実施した。外資企業はこの数年間の価格上のメリットにより充分の収益を得た。しかし、70%前後の市場シェアを占めている中国民族医薬工業は、国家の突発な需要、臨床上のニーズなどに対応するため、製品の価格は様々な規定によって制限されている。

 近年、中国のローカル医薬企業はずっと国家が外資医薬企業の期限が切れたオリジナル薬に対して、個別に価格を設定する政策に反対し続けてきた。

 中国医薬商業協会の朱長浩副会長は、特許薬に対して、投入した研究開発資金などを回収できるように、それを保護し個別価格設定を行うが、すでに特許の期限が切れた製品に対しては、医薬品価格を引き下げ、国民により利益を与えるため、より多くの企業がそれのジェネリック薬の製造を推奨すべきだ、と指摘した。

 しかし、国内では、多くの外資医薬品企業の特許が切れたオリジナル薬は、「個別価格設定」及び「良品質良価格」政策のおかげで、国内類似製品より、価格上の優遇を受けてきた。

 北京康派特医薬技術研究センターの李磊主任の紹介によると、現在外資医薬品企業の製品価格は国内同業者が生産する同類製品価格の3~5倍であり、価格の差が非常に大きいゆえに、適切な「個別価格設定」及び「良品質良価格」政策の活用は、企業が生産する医薬品の品質の向上に有利である。しかし、このような保護策は柔軟性を持つべきで、マクロ政策の調整に影響されないようにしなければならない。

 「今回、「発改委」は段階的に個別価格設定の問題を解決する固い決心をした。」と李磊主任が述べた。「発改委」の医薬品値下げ政策の討論に参加する専門家として、李主任が提出した意見は、「3年間をかけて、段階的に個別価格設定を取消すことは可能である。すなわち、個別価格設定の製品の個別価格設定特権は3年間有効だが、類製品の価格より上回った部分の額は年ごとに20%、或いは30%引き下げなければいけないようにすれば、3年の有効期間満了後、同類製品と同じ市場価格で販売することは可能」というものであった。

 「われわれはすでに「発改委」に、政策上に民族製薬工業がイノベーションの主導権を握ることを応援すべきであると呼びかけている」と李主任は述べた。


 

行政コントロールの効果について

 近日中に公布予定の医薬品値下げ政策に対して、業界人は様々な見解を述べた。

 北京協和病院の趙玉沛副院長は、「「固定額上乗政策」が一旦実施されると、医療機関に非常に大きな影響を与えることになる。なぜなら、現在医薬品は国内医療機関の大きな収入源のひとつとなっている。しかし、具体的に販売価格がいくらの医薬品を対象に「固定額上乗政策」が実施されるのかはまだ未公布のため、この政策が医療機関に与える影響を予測し難しい。」と述べた。

 また、「固定額上乗政策」により医療機関が高価な医薬品から受ける「ご贔屓」を解消できるかどうかは、単なる価格政策の調整で解決できるような問題ではない、と趙玉沛副院長は見解を示した。

 九州通集団のマーケティングディレクターの牛正乾氏は、関連官庁が行政手段を通して医薬品の市場価格をコントロールすることは、ある意味で医薬業界の市場競争を制限することとなった。長い目で見れば業界の発展にはよくないだろう、と述べた。

 今まで国家は、「医薬品で医療を養う」という問題を解決する有効な策を見つけることができなかった。しかも短期間では、全国民の巨額な医療費用をすべて国が負担することも不可能である。政府の補助金が短期間中に交付されることが不可能な情況の下で、行政手段で薬価をコントロールすることは、一種代替的な選択である、と、李磊氏は牛正乾氏の意見に対して、自分の見解を述べた。

 中国経済体制政策研究会 公共政策研究センターの余暉主任は、行政手段で薬価をコントロールすること、特に「発改委」が今回検討している 「固定額上乗制度」は現在の医療機関の「行政管理と運営上の管理の非分離」の現状に対して、ある程度の効果が現れると予想できる。このような政策がないと、医療機関と医者の権限がより大きくなる恐れがある、と述べた。

 「しかし、価格だけの改革は、問題を根本的に解決することができない。値下げでも、「固定額上乗政策」でも、その最終目的は「受診不便、医療費高騰」の問題の解決である。我々は政府に病院の「行政管理と運営上の管理の分離」の持続的な推進を勧めており、「発改委」、衛生部と社会保険関連官庁が各自の利益を強調するより、真の連携を行い、医療改革を推進するように呼びかけている」と余暉氏が述べた。

情報源:第一財経日報
 

 

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