グローバル製薬企業の研究開発センターが中国に与える影響
「我々が中国で研究開発センターを設立したことによって、比較的完全な医薬品のイノベーションプロセスや産業化プロセスなどの、斬新な医薬物開発理念が中国に導入されることになりました」と、グローバル製薬企業は良くこのように言います。
2007年度は、グローバル製薬企業による中国での研究開発センター設立の発表が最も多かった一年でした。2008年度、これらの研究開発センターは中国でどのように発展するでしょうか?中国全体の製薬研究開発業界にどのような影響を与えるでしょう?
2008年3月31日~4月2日、中国医薬業界研究開発国際会議(3rd International Conference & Exhibition China
2008 Pharmaceutical R&D
Summit)が上海グランドハイアットホテルで開催されました。ファイザー社、GSK(中国)社、ノバルティス(中国)社を始めとする各グローバル製薬企業の中国研究開発総責任者が一斉に集まり、上記の話題について、討論を展開しました。
百人百色
中国医薬業界研究開発国際会議が閉幕した当日に、ノバルティス(中国)の研究開発センターの定礎式が行われました。ノバルティス(中国)は2006年末に、同研究開発センターの投資額は9,800万USドルを予定していると発表しました。
ノバルティス中国生物医学有限公司の李恩総経理が「同研究開発センターは疾病モデルの開発から、ターゲットの発見、薬物作用機序の把握、臨床試験から申請登録まで全般を含む機能を持ち、しかも基礎研究と臨床医学的応用に向ける研究も行います」と紹介しました。
二年前、中国業界内の見方は、「グローバル企業が中国で設立する研究開発センターは臨床試験のためのもので、コア技術は持たない」でした。しかし、アストラゼネカ社、GSK(中国)を始めとする外資大手が次々と「医薬品の研究開発の全過程を中国で完成する」と発表した時点で、外資大手の中国医薬品研究開発センターは、ただグループ企業の開発機能の附属品として存在するではなく、独立した研究方向性と完全な研究プロセスを行う機能を備える機構として運営されることが明確になりました。
グローバル製薬企業の中国研究開発センターの共通点は「中国の市場ニーズに基づき、研究の主要な方向性を決める」ことです。
アストラゼネカ社中国研究開発センターの責任者張暁林氏は、今回の大会で「In China, for
China」を強調し、「当センターの研究は、肺がん、肝臓がんなど、アジア人種に発生率の高い疾病に集中しており、初期段階では、新生物の分子標的の発見、開発と検証に力を注いでいます」と言いました。
同様に中国人に発生率の高い疾病をターゲットとしていますが、各企業はそれぞれの得意分野によって、異なる疾病の種類を選びました。例えば、ノバルティス中国は肝臓病による肝臓がん、GSK中国は神経の退化による病変、ロシュ中国は継続して腫瘍に関する更なる研究を主要研究項目として選びました。
ノバルティス生物医学有限公司と共同研究室を設立する契約を締結した複旦大学の陳暁漫副校長は「グローバル製薬企業が中国の巨大な市場で、幅広く堅実な科学研究を行う実力を認識しました。しかも、外資在中研究開発センターの設立によって、中国国内のイノベーションと疾病治療研究陣は、疾病と戦う経験豊富な戦友を増やすことになりました。」と言いました。
様々な方式で収益を保障
直接中国で研究開発センターを設立する以外に、資本の投入もグローバル製薬企業が中国でイノベーションを展開する一つの方式です。
2007年、Eli
Lilly社はバイオ・ライフサイエンス分野の企業へのベンチャーキャピタル投資を主要業務内容とするバイオビーダ中国に1千万USドルを出資しました。その後、同社はEli
Lillyアジアベンチャーキャピタルファンド中国区運営センターを設立し、将来3年間の投資総額を1億USドルと予定しました。
「Eli
Lilly社は“海外で現地企業に投資した後、独自の研究開発センターを設立しない”前例がある」と、ある大会の参加者が言いました。「このような方法であれば、現地企業のローカル法規、文化背景の熟知などの優位性を利用し、リスクを低減させることが出来る」と、この参加者は見解を示しました。
行動が比較的に慎重なファイザーアジア研究センターも、中国国内の中小研究開発企業に注目しています。今回の大会で、他社からのプロジェクト方案と説明資料を受け取るために、ファイザー中国が専門のブースを設けました。
情報によると、大会前に、上海張江地区の一部の企業はすでにファイザー中国社と業務提携契約を締結、または提携の意志を表明しました。「現段階、ファイザー中国は主に研究開発の早期段階で他社と提携を行う方針です」とファイザーアジア研究開発センター責任者のSteven
Yang氏が言いました。
情報によると、研究開発ベンチャーキャピタルファンドを設けるグローバル製薬企業は少なくはありません。しかし、現段階では、ベンチャーキャピタルファンドの中国への参入は直接研究開発センターの設立に遅れをとっています。
多方面かつ連動的な発展
グローバル研究開発センターの中国での発展は、単独的に行われるものではなく、中国国内の研究開発産業圏と密接に繋がり、中国国内の研究機構、医療機構などと幅広く接触しています。
去年CRO業者として「上海 Medicilonバイオ医薬公司」の臨床研究実験室が融資を得ました。同社CEOの陳春林氏は、同社の顧客のほとんどは海外にいますが、グローバル製薬企業研究開発センターの中国での業務拡大によって、より多くの提携チャンスが生まれると指摘し、「それらの提携が将来会社の業務の重要な一部になる」と言いました。
ロシュ中国研究センターのイノベーションディレクターの陳力氏も、同社が過去3年間で、中国国内のCRO企業と有益な提携関係を結び「提携は中国全体の研究開発水準の向上にとって有利なことだ」と言いました。
グローバル製薬企業が中国で研究開発センターを設立することは、ある意味では、海外中小研究開発企業の率先垂範の役割を果たしました。
某中国現地工業団地の責任者が、グローバル製薬企業の在中研究開発センターの設立は、同工業団地の海外企業の受入に積極的な影響を及ぼし、同工業団地に入っている海外医療関係企業は、グローバル製薬企業の在中研究開発センターの提携企業になる可能性があると言いました。
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