グレードアップするCRO
2008-7-10 情報源:医薬経済新聞
2008年6月、泰州にある「中国医薬城」にて、「新薬イノベーションとCROトップフォーラム」が開催されました。期間中に、主催側は「CRO産業を全力で発展させる」とのスローガンを出しました。
「現在中国CRO業界の水準は約10年前の日本のレベルに相当しています。日本のCRO業界はすでに比較的に整備されています。しかし、中国ではしっかりした「ゲームルール」がまだ形成されていません。」と、広州博済新薬臨床研修センターの王廷春総経理は言いました。
二つの大きなリスク
今年の7月5日は、ある中国臨床試験専門ウェブサイトの薬物臨床試験サイト公開5周年の記念日でした。中国各地のCRA(臨床監査員)担当者向けのパーティを開催しましたが、国内のCRO専門会社からも大勢申し込みがありました。中国の「医薬人」が、近年のCRO業界の急速な発展情勢により順応するため、交流チャンスを望んでいる姿勢がはっきり映しだされました。
上海日新医薬発展有限公司の劉野副総経理は「新薬の研究開発のプロセスの中で、臨床試験は非常に大きな利益を得られる一環です。しかし、コストの原因で、製薬企業が臨床試験をアウトソーシングするケースが増えつつであり、CRO業界に巨大なビジネスチャンスをもたらしています。」また「化合物の選択、先導化合物の結構の修飾、薬理、毒性試験などの前臨床の業務以外に、現在中国では多くのCRO企業が臨床試験を自社の業務内容に取り込んでいます」と言いました。
中国でCRO会社を設立することは難しくありません。コストも比較的に低いですが、成功させることは容易ではありません。特に、中国の関連法律と業界の規則、体制がまだ不完全の状況下であるため、CRO企業は多くの問題に直面しています。うち、資金の運営と政策の変化は中国CRO企業にとって、最も大きな二つのリスクです。
中国臨床試験専門ウェブサイトの記念パーティに出席したある業界有識者は「一部の中国CRO企業の規模は大きくなく、それらの企業はオーダーと頭金を貰ってから、やっとプロジェクトをスタートできます。もし、そのプロジェクトが途中で計画通りに進展できなくなると、資金の調達は遅れてきます。すると、当該CRO企業の全体的な資金運営も停滞するようになります。また、CRO企業がプロジェクトの実施費用を立て替えることになっている場合、万一委託側の原因でプロジェクトを続けなくなった場合、CRO企業の資金運営にも問題が生じます。」と言いました。プロジェクトがスタートすれば、絶えず資金を投入しなければなりません。しかも、実際にCRO企業の利潤になるのはプロジェクトが完成した後、最後に徴収するお金です。プロジェクトが進展できなくなる原因はほとんど委託側自身の資金運営の問題であり、このような状況の場合、CRO企業はその損失を取り戻すことが非常に困難です。
政策リスクに関しては、中国ではCROに対する認識は細分化していないため、CRO企業は臨床研究を行う以外、臨床試験方案のデザイン、新薬の申請許可などの業務も展開しています。中国では多数の委託企業が、CRO企業に申請許可業務に参入するよう要求し、一方、CRO企業は「審査許可の合格の保証」などを自社の業務推進用スローガンにするケースが非常に多いです。
しかし、実際に新薬の申請許可には一定の時間が必要です。期間中に、CRO企業がデザインした試験方案が万一政策の調整に遭遇すると、申請が不許可になる可能性があります。そうなると、方案を新たに調整しなければなりません。そして「前期の投入費用をだれが分担するのか」ということがCRO企業の頭を悩ませる種になります。
米国Brightech International社のThomas Xie会長の情報によると、アメリカでは、CRO企業は単なるプロジェクトの執行者であり、方案の設計や申請などには参与しません。CRO企業と顧客が契約を締結すると、顧客は少なくとも事前に10%のスタート用資金を支払います、そして第一陣モニターの募集完了後、さらに2回目の資金提供を行い、その後の支払いは契約に従って行われます。プロジェクトの実施が最終段階まで進展できない場合、顧客は契約に従い弁償をしなければなりません。
規範化すべき
「医薬経済新聞」の記者の調査によると、近年CRO業界内に新たな問題が現れています。中国で「薬物臨床試験質量管理規範(GCP)」が公表されてからすでに5年を経過しているため、更に規範化するべきです。
例えば、中国では、一部のCRO企業が受注を獲得するため、非常に低く見積もりを出しています。臨床試験の基本的な試験に必要なコストにさえ満たない見積もりもあります。また、科学研究に対しては、「慎重に、確実に」行わなければいけませんが、一部中国国内の医薬品企業は目の前の利益を追求するため、GCPをしっかり実施していません。
ある医薬関連企業臨床試験担当者は、「当社は、業界価格競争の影響を受け、現在、主にグローバル企業の案件を対象に業務を展開しています。国内企業の委託を引き受けるケースは比較的少ないです。」と言いました。
劉 野氏の情報によりと、中国ではCRO業務を展開している企業は非常に多いですが、本格的に臨床研究の全過程を実施できる企業は非常に少ないです。
業界がある程度まで発展すると、リソースの新たな組み合わせ、CROのグレードアップの実施が必要です。改革の結果としては、大型の総合的なCRO企業と中小型の特許化CDO企業の共存になるでしょう。ある業界人は「シャツを買うのと同じです。輸入物でブランド品のものを買う人もいますが、一般の手頃な商品を好む消費者もいます。企業は各自の顧客層とターゲット設定があるので、混戦する状態は改善すべきです」と言いました。






