2007年度中国医療機器輸入事情

 中国医療器械の輸入が2006年度の低迷期を経て、2007年度再び上昇しました。中国税関の統計によると、2007年度の中国医療機器の輸出入総額は126.97億USドル、前年度比20.33%増に達し、医薬保健類商品輸出入総額の32.9%を占めました。うち、輸入額は42.82億USドル、前年度比16.32%増、輸出額は84.15億USドル、前年度比822.47%増で、年度貿易黒字は41.33億USドルに達しました。2008年度の中国医療器械輸入はバランスのよい成長を保つことが予測されます。

対米、独、日輸入は穏やかに成長

 2007年度、中国医療機器輸入は著しく増幅しました。ヨーロッパ、アメリカ、日本は依然として主要相手の地位を保っています。特にアメリカ、ドイツ、日本は中国医療機器の三大輸入先国であり、輸入額は中国医療機器輸入総額の7割近くを占めました。
アメリカは2003年~2007年の5年間、中国への医療機器の最大の提供国として、医療機器領域での優位性を維持しています。アメリカの医療電子機器は中国で非常に高い競争力を持ち、超音波画像検査装置、X線検査装置、心臓ペースメーカーなどがアメリカから輸入する主要商品です。
潜在的な成長力から見ると、ドイツは中国の医療機器輸入先国の中で、成長が一番早い国です。2003年~2007年の年度平均増長率は217.62%に達し、うちX線検査装置、核磁気共鳴装置 (NMR)、内視鏡などに関しては、ドイツの製品がその優位性を持っています。

デジタル製品の輸入急増

 病院で使用する診断・治療設備機器は中国医療機器輸入の主要・大口製品です。2007年の輸入額は35.68億USドル、中国医療機器輸入総額の83.32%を占めました。うち、超音波画像検査装置、CT装置、X線検査装置、核磁気共鳴装置などのデジタル医療設備がメインで、それらの輸入平均価格が上昇しました。例えば2007年のMRIの平均輸入価格は130万USドル/台であり、2006年に比べると、値段が倍近く引き上げられました。ハイエンド製品の入れ替えの加速化と、トップレベルの製品を輸入する(消費)傾向が反映されました。

高価なインプラント製品の一斉値上げ

 心臓介入治療関連製品、人工関節類などの高価なインプラント消耗品はハイテク、ハイリスク、ハイプロフィットの製品です。この領域では、製品の市場参入に関する要求が非常に高く、コアテクノロジーは少数のグローバル企業に独占されています。例えば、メドトロニック社、セント・ジュード・メディカル社、ジョンソン・エンド・ジョンソン社、Guidant社などの数社がグローバル市場をほとんど独占しています。中国の高価なインプラント製品に対する需要量は年毎に増長し、それらの入手は主に輸入に頼っています。
中国税関の統計によると、2007年の中国人工関節の輸入額は6000万USドルに上回り、前年比27.16%増となりました。WALDEMAR LINK社の総代理会社、ジンマー(上海)、Plus Orthopedics AG社の合資会社、スミス・アンド・ネフュー社の関連会社、ジョンソン(中国)の輸入額が人工関節輸入総額の半分ほどを占めました。
2003年~2007年の5年間、心臓ペースメーカーの輸入年間平均増加率は16.52%でした。2007年に中国国内で心臓ペースメーカーを扱った企業は計15社ありました。うち、メドトロニック(上海)、セント・ジュード・メディカル社と中米合資の某医療機器有限公司の3社が輸入総額の9割以上を占め、輸入平均価格は約1000USドルでした。

グローバル大手企業が技術優位性を保つ

 デジタル画像診断設備、MRI、IMRT設備などのハイエンド医療設備の国際市場はほとんどGE社、シーメンス、フィリップス、コダックに握られ、高価なインプラント商品に関しては、メドトロニック社、ジョンソン&ジョンソン社が輸入製品の主な市場を独占しました。2007年度、中国医療設備輸入の1~10位のデータを見ると、技術上の優位性で、グローバル大手企業は中国ハイエンド市場での寡頭的な地位を保っていることが明らかです。

北京、上海、広東は主要な輸入地域

 中国東部沿岸部発達した地区で、病院がハイエンド医療設備に対するニーズは世界先進水準に達しました。上海市、北京市と広東省の医療機器の輸入額は全国の67.36%を占めました。

ハイテク・ハイグレード医療設備は輸入に依存

 中国の膨大な人口数と飛躍的な経済発展によって、中国国民の平均寿命が延び、社会の高齢化が急速に進み、大衆の生活水準と健康水準への期待も高くなってきました。それと共に、国内医療機器市場も拡大しつつあります。
近年、中国政府が衛生への資金投入を大幅に引き上げ、2007年度全国財政の医療衛生部分の支払額は1,974億元(約3兆円)で、2002年より1.98倍増えました。2006年8月、衛生部を始めとする四つの官庁が共同で≪農村衛生服務システムの構築・発展計画≫を公布し、中央政府の重点支援政策として、総額216.84億元(3,336億円)の専用資金を与えました。うち、設備投資用資金は67.71億元(1,042億円)、さらに中・低レベル医療機器市場のニーズを刺激しました。
中・低レベル市場では、中国国産ブランドとグローバル企業の中国現地法人の中国における生産力により大体の市場ニーズを満たすことが出来ますが、磁気共鳴画像装置(fMRI)、核医学映像装置、モニタリング装置などの数種類のハイテク商品に関しては、中国国内の研究開発水準は依然として先進国と一定な差があるため、市場を満足させるために輸入に依存しています。

2008年度の輸入は穏やかに成長

 2008年、中国の医療機器の輸入は穏やかに成長する傾向を保ちます。現在中国国内で使われている医療設備の70%ほどは前世紀7、80年代の製品であるため、ハイテク医療設備は「更新する時代」を迎えるでしょう。
ハイテク商品のグローバル的イノベーションと生産状況から見ると、輸入元は主に欧米に集中しており、特に心臓血管造影装置、整形外科用製品などのハイテク製品に関しては、中国国内の生産がまだスタート段階であり、グローバル企業がその技術優位性によって市場を占めているため、ハイエンド製品の輸入は持続的に成長するでしょう。
中国対外貿易輸出の急速な成長、貿易黒字が持続的に拡大する環境の元で、ハイテク製品輸入の推進は、近年の中国対外貿易政策中の「貿易製品構成」を適正化にする一つの重要な指導方針となっています。特に2007年12月11日に、アメリカと『中米薬品・医療機器安全協議』(注1)を締結したことが、中国の医療機器生産に一定の影響を与えることになるでしょう。


注1『中米薬品・医療機器安全協議』
2007年12月11日午後、中国国家食品薬品監督管理局とアメリカ保健社会福祉省(HHS, United States Department of Health and Human Services)が北京釣魚台国賓館にて、『中華人民共和国国家食品薬品監督管理局とアメリカ合衆国保健社会福祉省が薬品・医療機器安全に関する協議』を締結しました。この『協議』の締結は、両国の協力関係を強化、消費者の医薬品使用の安全保障面での提携に向けて実質的な一歩を踏み出したことを意味しました。
医薬品・医療機器の品質管理の強化、中米両国民の医薬品の使用上の安全を保障し、医薬経済のグローバル化の対応策として、中米双方が医薬品(原薬、輔材と製剤を含む)、医療機器の輸出入の監督に重点を置くことを決めました。第一段階としては、中国側が8品目の製品、米国は10品目の製品をトライアル品目として指定し、提携の効果によって、今後の指定製品目録の拡大、提携領域とネットワークの拡大について検討する方針を決議しました。
また、以下の5つの合作事項に関しても積極的に展開することを決議しました。
Ⅰ.上層部の会合。両国医薬品監督部門の首長の会合体制を作る。
Ⅱ.情報の交流。各自が監督管理する企業、及びその製品の品質安全に関する情報を交流する。
Ⅲ.立法の交流。両国の法律、法規の制定と修正情報を交流する。
Ⅳ.技術合作、新薬技術の交流を展開して、検査人員の業務トレーニングを実施する。
Ⅴ.偽物の撲滅。共同的に消費者の健康を脅かす可能性のある偽物製品の調査と追究を実施する。


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