全国医薬品交易会のホットな話題―第三終端(注1)
2008年の中国全国衛生工作会議で、国家衛生部部長の陳竺氏は、「中央政府と地方政府は参合農民(注2)への補助基準を、元の40元から80元に引き上げる予定」と発表しました。この発表はただちに各方面の注目を集めました。
第59回全国医薬品交易会「以下、「薬交会」と称す」にて開かれたシンポジウムで、市場分析専門家は頻繁に今回の発表について論述し、「現在、新型農村合作医療に参加した人口は既に7.2億人に達しています。新しい基準により、中国農村医薬市場の規模は70億元(約1兆746億円)となり、中国医薬関連企業の利益増進ポイントとなる」と分析しました。農村市場をメインとする「第三終端」は再び今回の「薬交会」に参加した多くの医薬品メーカーの注目の的になりました。
保健品の販売モデルを参考に
農村と都市の市場の消費特徴には、本質的な区別があります。一つ目は、農村では、病院よりも、拠点が多く、価格が比較的安い個人の診療所、小売薬局が絶対的な優位性を持っていること。二つ目は、メーカーへの「忠誠度」が高いことです。農村の消費者は治療効果と価格を中心に医薬品を選びます。一旦ある医薬品を愛用すると、簡単に他の品種に変更しないのが一般的です。三つ目は、同類競争品種が少ないため、同品種の医薬品に対する出費の高い順は「農村、郷鎮(注3)、県城(注4)、地区クラスの市(省轄市)、そして農村と都市の結合部、都市」となっています。
このような消費特徴により、各医薬品企業は農村への販売方式を新しい課題として認識し、模索しながら展開しています。業界では、保健品の販売モデルの種類が一番多く、成功した事例も比較的に多いため、保健品の販売方式は各医薬品企業が農村市場を開拓するための、主な参考モデルとなりました。例えば、中美史克の「水銀計画」、吉林敖東の「全過程販売サポート、共同に一線で戦う」の推進形式、青島黄海の「帆船の都・微笑み大使のシルクロード」のキャンペーンなど様々な方式があります。
青島黄海製薬会社の担当者は「保健品の販売方式には参考にできるところが多々あることは否定できない。しかし、適切なノウハウの選別に注意しなければならない。当社は農村市場の「医薬品の使用に関する知識の普及率、制御率の低さ」などの現象に対して、健康科学知識普及の方式で抗高血圧症製品を推進し、とても良い効果を得た」と言いました。現在いくつかの商品が中国農村市場開拓を成功させた主要な原因は、①商品の市場での位置付け、②製品の価格設定、③市場推進の力強さ、であったことを認識すべきである、と同氏は分析しました。
「社区から農村へ」は主な形式になる
物流の角度から見ると、農村市場は居住人口が分散しており、また医薬品の使用量が少ないため、配送のコストは比較的に高いです。業界有識者は「農村市場の開拓には、効率が高く、便利でスピーディ、かつ低コストな物流システムが不可欠である。そうでなければ、良い商品でも末端市場には浸透できない」と分析しました。医薬品流通システムの改革に伴い、ルートは最終的に「扁平化」(注5)になるでしょう。「扁平化」により、医薬品商業の新たな規模、実力を備えた企業及びグループが誕生する可能性があります。一方、大手医薬品商業企業は農村市場にかかわりたくないため、中小企業に新たな生き残るためのビジネスチャンスを作り出す可能性があります。こうなる原因は、「1.都市部住民の消費水準は農村住民より高い。2.都市部住民の消費傾向は農村部消費者に極めて大きな影響力を持ち、農村目標消費者の行動に影響することができる。この二つの原因が考えられる。」と青島黄海製薬会社の担当者が言いました。
薬交会期間中に開かれたシンポジウムでは専門家達から「農村市場の開拓にはいろいろな工夫が必要。商品の選別、市場の調査研究に力を注ぐこと以外に、現存の資源を充分に利用すべき。例えば、製薬企業は農村市場に最も接近している県級医薬品企業と提携することにより、ローコスト・ハイスピードな販売ルートを作ることが可能になる。一方、商品とサービスなどを「農村化」にし、分かりやすい方法で消費者の健康意識を高めることによって、企業ブランドの知名度を高め、商品の売上を向上させるべき。」との意見も出ました。
注1.
【第三終端】:病院の薬局、ドラッグストア(商店、スーパーマーケット内の薬を販売するコーナー)以外の、消費者に直接医薬品・保健食品を販売するすべての小売拠点。「第三終端」は主に農村地区、一部の都市と農村の結合部の居住エリアにある。例:郷鎮衛生院、農村と社区にある個人診療所、郷村医師の「薬箱」、企業や学校の保健室など。
注2. 【参合農民】:「新型農村合作医療」に参加する農民。
注3. 【郷鎮】:田舎町。中国の農村地域での末端行政単位。
注4. 【県城】:県政府所在地。
注5.
【ルートの扁平化】:ルート業者に対し、より高い水準を求めることになる。特にサービス面は、最重要事項である。専門的な小売販売の実施、ルートとブランドの直接融合に従って、そのサービスもブランド化傾向が現れるようになる。このサービスのブランド化はメーカーとルート業者に、より高い利益をもたらすのである。






