2008年8月前半、中国医薬業界重要ニュースまとめ
2008-8-15
一、政策と監督管理
1. 「国家発改委」:国家バイオ産業発展専門家諮詢委員会が正式に設立
2. SFDA:化学原薬の生産及び使用の整頓方案について意見募集
1. 「国家発改委」:国家バイオ産業発展専門家諮詢委員会が正式に設立
中国国家発展改革委員会(以下「国家発改委」と称す)が、国務院関連官庁に意見を求めた結果、「国家バイオ産業発展専門家諮詢委員会」(以下「専門家諮詢委員会」と称す)の設立を許可した。
この動きの目的は国務院が許可した「バイオ産業発展第十一次五カ年計画」の実施の確保、中国バイオ産業に関連する重大な問題点の研究強化、決定策に関連する科学的根拠の信憑性の向上など、中国バイオ産業の発展をより推進することにある。
8月5日、国家発改委は北京で「国家バイオ産業発展専門家諮詢委員会設立大会」を開き、第一回「専門家諮詢委員会」のメンバーリストを公布し、入選した専門家達に招聘証書を配布した。
「専門家諮詢委員会」は中国のバイオ産業発展の戦略コンサルティング機構。その主な役割は:
中国国民経済と社会発展に重要なニーズに基づき、国内外の生命科学、バイオ技術とバイオ産業の発展の傾向を参考し、中国のバイオ産業の発展に関係する産業の布石、企画、産業政策、イノベーション、重大な技術成果の産業化などの戦略、全体の発展に関わる重大な問題点に対して、調査研究を行い、国家バイオ産業発展の重大な建設プロジェクトを論証し、参考意見とアドバイスを出すこと。
中国バイオ産業の発展状況のフォローアップ調査を行い、同産業発展の基本的な情勢を分析。国家にバイオ産業の発展を促進するための重大な政策措置などについてアドバイスをすること、などである。
コメント:バイオ産業の発展に力を注ぐことは、中国の産業構造の最適化とグレードアップの促進、新しい経済成長分野の育成、「イノベーション型の国家」の建設にとって、非常に重要な動きである。現在中国のバイオ産業は急成長期に突入。好調な発展傾向にあるが、様々な矛盾と問題も顕在している。バイオ産業の発展に有利な戦略性、適応性があり、かつ実施可能な政策を構築するために「専門家諮詢委員会」の専門家達がノウハウを充分に発揮し、アドバイスをすることは、中国のバイオ産業の加速的発展に大いに役立つことができる。
2. SFDA:化学原薬の生産及び使用の整頓方案について意見募集
2008年8月6日、中国国家食品薬品監督管理局は同局のWEBサイトから「化学原薬の生産及び使用の整頓工作方案」(以下「方案」と称す)(意見募集版)を公開した。今回の意見募集は8月22日まで。
「方案」(意見募集版)は、原薬の監督管理をより強化し、化学原薬の生産、販売及び使用中に存在する問題を解決するため、SFDAが原薬への監督管理を2008年の重点業務として見なしていること、化学原薬の生産と使用の整頓をその第一歩として踏み出すこと、を紹介した。
まずは製剤企業が、違法化学原薬の使用問題、原薬生産企業の明らかな法律・法規を違反する生産活動、一部の輸出用原薬の生産において存在する顕著な問題点に対して整頓・規範を断行的に実施し、原薬の販売と使用に電子化監督・管理を実施。次に、原薬の生産において認識があいまいな部分に対して、宣伝教育を強化。法規や基本的な要求を繰り返して協調し、早急に認識を統一させる。
「方案」(意見募集版)には、法規制度の改善、関連GMP要求の向上を実施後、期間を定め、化学原薬の生産に関する議論が比較的多い問題点を整頓・改善・規範すると明示されている。
二、業界重要ニュース
1. 初回、高値医療用消耗品の全国集中買付け活動が終了
「医薬経済新聞」は、7月31日、2008年度全国高値医療用消耗品の集中買付け活動を担当する衛生部の担当者が記者会見にて、「集中買付けに入選した候補品種の価格は従来の国内の最安価よりさらに1割安くなり、一部の製品の全国での価格の統一も実現できた」と報告したと報じた。
今回の集中買付けは衛生部が初めて主催したものであり、全国を買付けの範囲とする医療機構、関連する医療機器メーカー,その他の医療機構及び買付け機構の代表が今回の公表大会に参加した。
集中買付けの製品は「心臓ペースメーカー類」、「電気生理類」、「心臓介入類」及び「周囲血管介入類」(神経介入類<Neurointerven-tional>)の4つの種類に分けられた。今回の集中買付けの提供期間は1年間、2008年8月20日から実施される。
全国を買付けの範囲とする医療機構と関連生産企業に対して、価格を確定する時は、安価を求める同時に、製品の臨床上のニーズを満足することを保証する必要があり、企業所在地域の物流コストのギャップ、そして企業の生存と発展、社会の安定性などの総合的な要素も考慮しなければならない。
衛生部は「合理的な値下げ」を業務展開の原則とし、徐々に長年存在する「同製品なのに、大きな価格差が存在する」という問題点を解決しようとしている。
医療機器、特に高値医療用消耗品は、地域間に比較的大きな価格差が存在している。衛生部の担当者は「地方の価格は首都の北京より高く、未発展地区の価格は発展地区より高い」のが現状だが、今回の集中買付けで一部の製品の「全国統一価格」を実現した」と述べた。
コメント:高値医療用消耗品の集中買付けが「全国統一」のレベルまで実現できたことは非常に大きな意義がある。中国全土の統一した医療サービス徴収費用の価格設定の基礎を築いたからだ。
2. 34項目の中医薬業界基準規定の公布が完了
新華ネットは、8月5日、中華中医薬学会が開催した「中医内科よくある病気診療ガイドライン」の記者会見で得た情報によると、近年中国は「中医薬臨床病診療ガイドライン」、「中医臨床技術操作規程」、「中医薬名詞専門用語」など一列の中医薬に関連する基準の制定と修訂が行われており、すでに34項目の業界基準が正式に公布された、と伝えた。
「中医看護一般技術操作規程」、「サブヘルス中医臨床ガイドライン」、「糖尿病中医予防治療ガイドライン」などの規定も上記の34項目に含まれ、中医薬専門家たちの承認と全国の多数の医療関係者の高い評価を受けた。そのほか、腫瘍科、小児科、婦人科、皮膚科などの中医臨床各診療科別のよくある病気に関する診療ガイドラインなどの業界基準規定の制定も完成しており、続々と公布する予定である。
コメント:中医薬の標準化規制は中医薬の医学領域での競争力を高める重要な手段であり、現代科学技術を利用して、中医薬の標準基準を向上させることは、中医薬事業の全面的、健全的かつ持続的な発展への促進効果がある。
3. 「モン薬(注1)方剤(注2)データ庫」の設立
新華ネット、8月12日の報道によると、専門家達の2年間の努力を経て、中国の「モン薬方剤データ庫」が先日「内モンゴル医学院モン薬学院」にて設立されたことが分かった。
今回完成したモン医薬データ庫が収録した文献と方剤の量及び種類は今まででもっとも豊富なものである。研究成果の共有性、公開性、汎用性、及びネット、モンゴル文字と漢字の入力インターフェースの構築は、モン医薬領域及び少数民族文字情報技術領域における画期的な快挙である。
このデータ庫は現代情報技術と民族医薬伝統研修手法の結合であり、モン医薬学の科学技術水準の向上、現代化と情報化の推進、モン医薬学の産業化への促進とグローバル化に大いに役立つことができる。
注1、「モン薬」:モンゴル族の医薬理論に基づいて配合、応用された医薬品。
注2、「方剤」:2種類以上の単味薬を配合して作られる処方。
4. 張暁強氏:強力にバイオ産業の発展を進める必要性
「中国証券新聞」は8月13日、中国国家発展改革委員会(以下「発改委」と称す)の張暁強副主任が、中国は人口が多いため、一人当たりの資源が少なく、生態系が比較的に不安定である。工業化、都市化、現代化の発展の加速化に伴い、人口、環境などが大きなプレッシャーを受けているため、バイオ産業の発展を強力に推し進め、イノベーション力を向上させることがさし迫った課題となっている、と語ったことを伝えた。
バイオ産業は戦略性のある新しいハイテク産業として、世界中で急成長してきた。人類社会が直面する資源、環境、健康、食品などの問題点の解決に大きな決定的な役割を果たすことが予想されており、先進国と多くの途上国の国家経済社会発展の戦略重点になっている。
現在、中国のバイオ産業は好調な発展傾向がみられ、一部の領域においては、飛躍的な進展を収めた。しかし、先進国と比較すると、小規模、イノベーション力の不足、急発展するバイオ産業のニーズを満たすことのできないシステム・メカニズム、などの問題点がある。
そのほかにも、いかに中国の優位性を充分に発揮させ、突破目標を絞り、中国の特色のあるバイオ産業発展の道を作り出すか。いかに改革を原動力にして、バイオ産業の発展に有利な投資・融資ルート、イノベーションシステム、政策環境、管理システム及び法律制度環境を構築するか。いかに中国の開放型経済急発展を背景に、自主イノベーション力を向上させ、グローバル競争の優位性を勝ち取るか。また、いかに生物の安全性の確保を前提に、組換DNA技術を発展させ、産業化を実現するかなど、様々な問題が存在している、と張暁強氏が語った。
また、近年「発改委」はバイオ産業発展に関する専門プロジェクト計画と政策の制定、バイオ技術産業化の強力な推進、及びバイオ産業イノベーション力の向上、産業集積の発展の強力な促進など一連の措置を行った。2005年以降、「発改委」はすでに22箇所の国家バイオ産業基地の設立を許可した。強力に基地の公共サービスシステムの条件設備をサポート、基地の総合的な誘致力を高め、産業の集積を促進し、産業と地域経済発展との結びつきを推進してきた、と同氏が紹介した。
5. 医薬品廃棄物処理の規範化監督管理
中国食品商務ネットは、8月13日、8月1日新版「国家危険廃棄物目録」(以下「新目録」と称す)の公布は、政府が再び医薬品関連危険廃棄物の処理問題を検討している姿勢を示しており「新目録」の医薬品危険廃棄物に対する分類は以前よりさらに細分化された、と報じた。
「新目録」では、危険廃棄物はその「危険特性」により、「腐食性」、「毒性」、「燃焼性」、「反応性と感染性」の4つ大きな類別に分けられ、医薬工業に関連する医薬品廃棄物(HW02)及び廃棄薬物、医薬品(HW03)が「毒性類危険廃棄物」の範疇に入れられた。
「新目録」はHW02に属す医薬品廃棄物を、さらに「化学医薬品原薬製造」、「化学医薬品製剤製造」、「動物用医薬品製造」と「生物・バイオ製品製造」の4つの小さい類別に区分し、各種の危険廃棄物に専用の「廃棄物コード」を付けた。
コメント:「国家危険廃棄物目録」は2008年度第1号の「環境保護令」として公布された。公布は、中国国家環境保護部と中国国家発展改革委員会の汚染物に対する重視度を反映したもの。「新目録」の修訂と実施は「製薬工業水汚染物排出標準」の後に、医薬工業に関わる環境保護活動の第2弾。続いて、医薬工業廃ガスの処理も規範化監督管理の範疇に入れられる予定。今回公布した「新目録」は医薬品の生産、使用中に発生する危険廃棄物のより全面的な監督管理及び処理の実施に役立つことができる。
三、企業動向
1. 華潤集団:「三九」を選定、グループ内医薬関連業務の調節
1. 華潤集団:「三九」を選定、グループ内医薬関連業務の調節
「第一財経日報」の報道によると、東阿阿膠(注1)社は8月6日に公告を出し、同社の持株会社である「華潤東阿阿膠有限公司」(以下は「華潤阿膠」と称す)の株主の「華潤(集団)有限公司」が、所持する「華潤阿膠」の56.62%の株を「深セン市三九医薬投資管理有限公司」(以下「三九投資」と称す)(注2)に譲渡したことを公表した。
「三九投資」の親会社「新三九ホールディングス」の持株会社も「華潤(集団)有限公司」である。今回の株の譲渡は「三九投資」の華潤グループでの医薬関連業務における重要性が明らかになった。
「華潤阿膠」の株を「三九投資」に譲渡した目的は、華潤(集団)有限公司が全体の運営システムから、グループ内の医薬・保健業務内容を整理・統合するため。
注1:阿膠(アキョウ):ロバなどの除毛後の皮を煮詰めて固めたもので、補血、止血作用のある生薬として用います。
2. 雲南白薬:平安保険の巨額資金を調達
「中国証券新聞」は、8月12日、「雲南白薬集団株式会社」(以下「雲南白薬」と称す)が、「中国平安人寿保険株式会社」(中国平安生命保険株式会社)と、「雲南白薬集団株式会社非公開株の購入に関する協議書」を締結し、今回募集した約13.935億元の資金を同社全体の移転、及び100%出資子会社の「雲南省医薬公司」への追加投資に使う予定であることを公開した、と報じた。
「雲南白薬」は急成長をしたが、生産能力が会社の急成長に追い付かず同社の更なる発展を制限する問題点となった。
現在の生産製造センターは面積が小さく、しかも環境保護面のリスクもあり、同社の生産能力を厳重に制限している。
同社は利潤が高い製品の生産を保証するため、やむえなく製品バランスの調節を行い、結果、2007年度会社の成長スピードが遅くなった。
問題発生後、同社は2007年内に「会社全体の移転プロジェクト」をスタートし、新しい基地を昆明の未来の発展新区の「呈貢」に決定した。
移転プロジェクトに巨額な資金を投入する以外、同社は全額出資子会社の「雲南省医薬公司」に3億元の追加投資を投入し、「雲南省医薬公司」の運営資金を補充する予定。
四、区域別重要ニュース 
1. 瀋陽:初めて地方政府が制定した医薬品と医療機器監督管理弁法の公布
3. 海南:医薬品企業の急成長
1. 瀋陽:初めて地方政府が制定した医薬品と医療機器監督管理弁法の公布
新華ネットの情報によると、8月1月から、「瀋陽市薬品及び医療機器監督管理弁法」(以下は「弁法」と称す)が実施された。「弁法」は中国初の地方政府が制定した医薬品、医療機器監督管理の法規。
「弁法」は、非医薬品の広告、及び販売促進が目的の書面声明、添付のラベル、説明書、包装などは、医薬品の適応症、治療効用、使用方法と使用量などの内容を記載してはならないことを明確に規定した。
また、医薬品の回収は、必ず生産、経営企業が医薬品監督管理官庁の監督の下で行う必要があり、その他の企業、或いは個人の医薬品買取り行為はすべて違法であることも明確した。
2. 青島:バイオ産業基地の構築
「上海証券新聞」は8月6日、青島市はバイオ産業を同市の新しいサポーテングインダストリーに発展させるよう、力を注ぐ予定だ、と報じた。
現在青島は220軒余りのバイオ技術企業を抱えている。
バイオ医薬技術、農業バイオテクノロジー、工業バイオテクノロジー、及び伝統バイオテクノロジー関連の企業が多く、それらは多数の自主知的財産権のある新薬を持っており、バイオ触媒の合成、酵素工学、海洋生物の研究、キチン及び新素材の応用技術などの領域において、中国で重要な地位を占めている。
3. 海南:医薬品企業の急成長
「中国医薬新聞」は、8月14日、2008年前半、海南省経済運行統計監督測定の結果によると、全省工業経済発展スピードの下落と反対に、同省の医薬産業は急速に成長し、飛躍的発展を実現したと報じた。
同省の省レベル以上の医薬品企業の工業生産総額は18.63億元、前年同期比29.8%増で、工業売上総額は16.6億元、前年同期比25.9%増となり、すべての工業業界の中で、成長スピードが最も早かった。
海南省の医薬産業の今回の実績は、同省の医薬品企業が確実に医薬品安全責任システムを実施し、全力に品質管理を強化して来た成果だ。同省のほとんどの医薬品企業は最新のISO9000シリーズ(品質管理システムの国際規格)及びアメリカFDA承認の関連規定に従い、より品質管理システムを強化する予定。





